移転価格文書の作成を相談・依頼したい

OECD BEPSプロジェクト最終報告書を受け、近年多くの国で移転価格文書化が義務化されました。移転価格文書とは、「マスターファイル: MF、事業概況報告事項」「ローカルファイル: LF、独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類」「CbCR: Country by Country Report、国別報告事項」を指し、売上高や関連者間取引額が基準値を超える場合、作成や税務当局への提出が求められますが、各国で基準値が異なるため、日本だけではなく、国外関連者所在国における取り扱いについても把握の上、対応が必要になります。また、同時に、グループとしてのコンプライアンス遵守の観点から、究極の親会社において各国における移転価格文書化の管理が求められるようになりました。税理士法人フェアコンサルティングは、各国の移転価格文書化に係る規定やガイドラインを理解し、各国の移転価格税制の観点で効率的かつ効果的な移転価格文書の作成を支援します。

Naohiko Sogo

神戸大学大学院修了

東京国税局、名古屋国税局において、国税調査官として税務署所管法人と調査部所管法人の税務調査(法人税・消費税・源泉所得税等)に従事。
現在は、日本と世界各国との取引に係る移転価格案件に主に関与し、移転価格調査対応、APA(事前確認)審査対応、相互協議対応などを通じたコンサルティングサービスを提供している。

こんな状況になっていませんか?

以下のような状況においては、移転価格文書化が求められる可能性があります。

  • 国外関連者との仕入・販売、ライセンス、役務提供、貸付・借入、コミッションなどの取引が発生し、取引高が文書化義務基準額を超えている(LF)
  • 貴社の企業グループの連結総収入金額が文書化義務基準額を超えている(MF、LF、CbCR)
  • 日本側、若しくは国外関連者側のみでしか文書化されていない(MF)
  • これまで一度も文書化をしたことがない(MF、LF、CbCR)

対応しなかった場合に起こり得るリスク

移転価格文書の未作成は、会社としての移転価格設定に係る適正性の証明がなく、また、コンプライアンス違反となることから、税務調査における推定課税や、推定課税に伴うペナルティーなどが生じる可能性があります。

  • 移転価格文書未作成によるペナルティーの発生
  • 移転価格調査による移転価格課税に伴う加算税などのペナルティーの発生
  • 移転価格文書未整備による推定課税リスク(推定課税は税務当局の裁量で、独立企業間価格を推定して課税できる制度で、企業側にとって通常の移転価格課税と比較して好ましくない結果になる可能性が高い課税方法です)

具体的な対応方法

移転価格文書化によって、コンプライアンス遵守、移転価格課税に伴うペナルティーの回避が可能になります。

  • 究極の親会社におけるCbCR、MFの作成
  • 各社におけるLFの作成
  • グローバルやリージョンでのLF作成成

準備する必要があるもの

主に以下の情報、データや分析を基に移転価格文書化を実施します。

  • 会社・グループ概要
  • 関連者間取引及び金額
  • 移転価格ポリシー
  • 財務数値
  • 産業分析、機能リスク分析、経済分析

MF・CbCRは親会社が作成すべきか?

MFは、グループの事業、各社の機能・リスクや無形資産の状況等、概要を説明する文書、CbCRはグループの財務データや役割を国毎に記載する書類になります。MFやCbCRはグループ全体に関わる情報やデータになりますので、通常は究極の親会社が作成をし、必要に応じて国外関連者又は究極の親会社の所在国の税務当局に提供します。しかしながら、究極の親会社所在国においてMFやCbCRの作成が義務ではなく、一方、国外関連者側で作成・提出が求められるケースがあります。その場合であっても、国外関連者単独で作成するのではなく、記載すべき内容がグループの情報やデータであるため、究極の親会社が作成し国外関連者に提供することが望ましいと考えられます。

LFは親会社と国外関連者双方で作成すべきか?

LFは、国外関連者との取引における取引価格が独立企業間価格で実施されたことを納税者が証明する資料になります。LFの記載項目は、厳密には各国で異なるため、調整は必要であるものの、基本的な記載内容や分析方法等については同じであることから、多国籍企業グループ内で統一したLFを作成することが理想的です。そのため、特段の事情がない限り、また、コンプライアンスコスト削減の観点からも、国外関連取引当事者が個別にLFを作成するのではなく、国外関連取引ごとに1つのLFを作成することが推奨されます。

LFを親会社やリージョンでまとめて作成することにメリットはあるのか?

LFは、各国で(同時)作成義務の基準が異なりますが、記載内容の重複、分析の流用等効率的に文書化を進めるべく、親会社や地域統括会社主導で作成することが可能です。また、管理の観点においても、情報や状況が一ヶ所に集中することから、効率的かつ効果的な移転価格リスク管理やモニタリングが可能となります。

フェアコンサルティングのネットワーク

フェアコンサルティンググループとして国内、国外とも多数の拠点をもっております。

  • 国内
  • 国外

メディア・書籍

フェアコンサルティンググループの執筆物をご紹介しております。

  • 図説移転価格税制(Visual TP)

    本書は、移転価格税制の基礎から、独立企業間価格の算定方法、移転価格文書化、税務調査、事前確認制度、相互協議などの実務上の取扱いや留意点について、文章と図解でわかりやすく解説しています。移転価格税制の全体像を掴むのに最適な一冊です。

    定価: 6,600円
    出版社: 税務研究会出版局
    発行: 2022.11.1
    著者: 萩谷 忠 (監修), 伊藤 雄二 (監修), 税理士法人フェアコンサルティング (著)
  • 月刊国際税務2022年9月号

    「国際税務の相談室★金融取引(移転価格税制)」
    タイトル:「新移転価格事務運営要領での金銭消費貸借取引及び債務保証取引の独立企業間価格」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2022.9
    著者: 萩谷忠
  • 月刊国際税務2022年1月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「東南アジアに所在する国外関連者との取引に係る事前確認(APA)申出は行うべきか」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2022.1
    著者: 萩谷忠
  • 国際税務研究会

    「BEPS行動計画対応状況一覧表」
    「BEPS行動計画13対応状況一覧表」

    著者: 細田明(執筆・監修)
  • 月刊国際税務2021年5月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「自立した国外関連者との取引に係る独立企業間価格」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2021.5
    著者: 萩谷忠
  • 月刊国際税務2020年9月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「国際税務の相談室★移転価格税制・・キャプティブ(再)保険取引と移転価格税制」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2020.9
    著者: 萩谷忠
  • もう悩まない!現地駐在者直伝! アジア進出企業の税務トラブルQ&A

    アジア諸国進出企業が直面する現地国での特有の税務トラブルを、現地で実際に解決に導いてきた著者らの活きた豊富なノウハウにより解決する実践的解説書。日本企業の進出数が多いアジア 10か国(中国、香港、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、 インド)について、「国別」に「Q&A」形式でわかりやすく解説する。

    定価: 4,000円(税別)
    出版社: 第一法規株式会社
    発行: 2018.03
    著者: 伊藤雄二、外園雅大
  • Q&A 移転価格 ドキュメンテーション 基礎知識と実務対応

    課税当局の動向、調査の着眼点を踏まえたピントのあった解説。文書化を行う上で必要な基礎知識から、最近のBEPSの動向までをわかりやすい切り口でカバー。

    定価: 3,000円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2015.10
    著者: 伊藤雄二、十河直彦
  • Q&A 移転価格の税務調査

    移転価格税制の基本知識から調査官の考え方、移転価格調査に対する適切な対応までQ&Aで丁寧に解説。「無形資産をめぐる国外関連取引」の増加に伴う問題点や「広告宣伝費用の負担関係」についての考え方等、現在の重要論点を整理。

    定価: 3,000円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2014.01
    著者: 伊藤雄二
  • 図説移転価格税制 – Visual TP(全訂第2版)

    移転価格について文字とビジュアルでわかりやすく解説。

    定価: 4,200円(税別)
    出版社: 税務研究会出版局
    発行: 2012.09
    著者: 伊藤雄二、萩谷忠
  • Q&A 移転価格税制のグレーゾーンと実務対応

    現状において最も課税リスクがあるポイントに斬りこむ!実務上の諸問題の中で、重要であるにもかかわらず明確な方向性が示されてこなかったものを取り上げ、独自の見解を示した先駆的解説書。

    定価: 2,800円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2012.03
    著者: 伊藤雄二、萩谷忠