税務調査の潜在的なリスクを把握したい

海外取引に対する調査は、国税当局の重点調査項目となっており、日本においては「国際税務専門官」という海外取引調査を専門に行う担当官も設置されています。我々、税理士法人フェアコンサルティングは、日本の観点のみならず、国外関連者所在国の観点においても、どのような潜在的な課税リスクが認識され、どう対応することが適切か、貴社グループの課税リスクを最小化するソリューションを提供します。

Tatsuya Shimizu

日本国税理士

税務署において、広範囲の税目(酒税・印紙税・法人税・消費税・源泉所得税等)を担当し、各種業種・規模の法人調査、相談等の業務に従事。 現在は、豊富な税務知識と経験を基に、国際源泉、恒久的施設(PE)課税、外国子会社合算税制、海外の税制、移転価格文書化業務など、幅広い国際税務のアドバイザリー業務をクライアントに提供している。
また、国税局や公認会計士向けの国際税務研修の講師も務める。
著書には「税法用語辞典(共著)」「法人税務ハンドブック(共著)」がある。

こんな状況になっていませんか?

以下のような状況においては、潜在的な課税リスクが認識されます。

  • 低い法人所得税率(20%未満)の国に子会社があるのにも関わらず、法人税申告書別表17の3が作成されていない
  • 海外子会社との取引ボリュームが大きいが、移転価格税制上適切な価格/料率で取引が実施されていない
  • 海外子会社との取引が実施されており、海外子会社の営業利益率が10%を超え、高利益率が続いている
  • 海外子会社との取引が実施されており、海外子会社が営業赤字を計上している/低利益率が続いている
  • 海外子会社との取引に係る契約書や証憑類が整備されていない

対応しなかった場合に起こり得るリスク

準備・対応不足の場合、海外取引に関し修正申告を求められたり、更正処分を受ける可能性があります。

  • 低税率国にある子会社の利益に対し、外国子会社合算税制に基づき課税されるリスク
  • 高利益率の海外子会社との取引について、移転価格税制に基づき日本側で課税されるリスク
  • 低利益率/赤字の海外子会社との取引について、移転価格税制に基づき海外子会社所在国で課税されるリスク
  • 価格や料率が移転価格税制上適切な設定となっておらず、移転価格税制に基づき日本側若しくは海外子会社所在国で課税されるリスク

具体的な対応方法

リスクアセスメントを実施することで、潜在的な課税リスクの把握が可能です。

  • 法人税申告書別表作成状況の確認
  • 海外子会社の利益状況やその理由の確認
  • 海外子会社との取引に係る契約書整備状況・内容の確認
  • 海外子会社との取引に係る証憑の整備状況・内容の確認
  • 海外子会社との取引に係る価格価格/料率設定根拠の確認
  • ローカルファイルにおける記載内容の確認
  • 海外子会社所在国特有の論点に照らした状況の確認

準備する必要があるもの

以下の情報やデータを総合的に勘案して潜在的課税リスクについて検討します。

  • 法人税申告書別表(17の3・17の4)
  • 海外子会社の監査済財務諸表、若しくは監査済P/L
  • 関連者間取引明細
  • 海外子会社との取引契約書
  • 海外子会社との取引に係る証憑類
  • 移転価格ポリシー
  • ローカルファイル

移転価格調査はどのような会社に対して行われるか?

海外子会社との取引金額が大きい、海外子会社の利益率が高い、親会社の海外子会社との取引に係る利益がマイナスであるなどの状況にあるとき、移転価格調査が行われる可能性があります。

法人税調査の度に、海外子会社に対する寄附金であると調査官から指摘されるが、どうしたら良いか?

調査官は移転価格調査を行うには国税局の内部手続きが大変であるなど、移転価格で指摘すべき事項を海外子会社に対する寄附金であると指摘することが多いようです。海外子会社に対する寄附ではないということを、ローカルファイルや海外子会社との契約書を基に調査官に対して適切に説明することができるように準備する必要があります。

税務署所管法人(原則として資本金1億円未満)に対して移転価格調査は行われるのか?

国外関連取引の規模が小さい、調査官の移転価格調査に対する知識などが乏しい等の理由により、ほとんど行われていないと思われます。

ローカルファイルの作成はどのようにすれば良いか?

ローカルファイルの記載要領は、日本であれば国税庁のHP、海外であれば移転価格ガイドライン等で公開されているので、これを参考に作成すれば良いと思われます。ただ、ローカルファイルの内容は専門的なものが多いことから、専門家(税理士、税務コンサルタント等)に作成を依頼するのも良いでしょう。

フェアコンサルティングのネットワーク

フェアコンサルティンググループとして国内、国外とも多数の拠点をもっております。

  • 国内
  • 国外

メディア・書籍

フェアコンサルティンググループの執筆物をご紹介しております。

  • 図説移転価格税制(Visual TP)

    本書は、移転価格税制の基礎から、独立企業間価格の算定方法、移転価格文書化、税務調査、事前確認制度、相互協議などの実務上の取扱いや留意点について、文章と図解でわかりやすく解説しています。移転価格税制の全体像を掴むのに最適な一冊です。

    定価: 6,600円
    出版社: 税務研究会出版局
    発行: 2022.11.1
    著者: 萩谷 忠 (監修), 伊藤 雄二 (監修), 税理士法人フェアコンサルティング (著)
  • 月刊国際税務2022年9月号

    「国際税務の相談室★金融取引(移転価格税制)」
    タイトル:「新移転価格事務運営要領での金銭消費貸借取引及び債務保証取引の独立企業間価格」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2022.9
    著者: 萩谷忠
  • 月刊国際税務2022年1月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「東南アジアに所在する国外関連者との取引に係る事前確認(APA)申出は行うべきか」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2022.1
    著者: 萩谷忠
  • 国際税務研究会

    「BEPS行動計画対応状況一覧表」
    「BEPS行動計画13対応状況一覧表」

    著者: 細田明(執筆・監修)
  • 月刊国際税務2021年5月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「自立した国外関連者との取引に係る独立企業間価格」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2021.5
    著者: 萩谷忠
  • 月刊国際税務2020年9月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「国際税務の相談室★移転価格税制・・キャプティブ(再)保険取引と移転価格税制」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2020.9
    著者: 萩谷忠
  • もう悩まない!現地駐在者直伝! アジア進出企業の税務トラブルQ&A

    アジア諸国進出企業が直面する現地国での特有の税務トラブルを、現地で実際に解決に導いてきた著者らの活きた豊富なノウハウにより解決する実践的解説書。日本企業の進出数が多いアジア 10か国(中国、香港、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、 インド)について、「国別」に「Q&A」形式でわかりやすく解説する。

    定価: 4,000円(税別)
    出版社: 第一法規株式会社
    発行: 2018.03
    著者: 伊藤雄二、外園雅大
  • Q&A 移転価格 ドキュメンテーション 基礎知識と実務対応

    課税当局の動向、調査の着眼点を踏まえたピントのあった解説。文書化を行う上で必要な基礎知識から、最近のBEPSの動向までをわかりやすい切り口でカバー。

    定価: 3,000円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2015.10
    著者: 伊藤雄二、十河直彦
  • Q&A 移転価格の税務調査

    移転価格税制の基本知識から調査官の考え方、移転価格調査に対する適切な対応までQ&Aで丁寧に解説。「無形資産をめぐる国外関連取引」の増加に伴う問題点や「広告宣伝費用の負担関係」についての考え方等、現在の重要論点を整理。

    定価: 3,000円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2014.01
    著者: 伊藤雄二
  • 図説移転価格税制 – Visual TP(全訂第2版)

    移転価格について文字とビジュアルでわかりやすく解説。

    定価: 4,200円(税別)
    出版社: 税務研究会出版局
    発行: 2012.09
    著者: 伊藤雄二、萩谷忠
  • Q&A 移転価格税制のグレーゾーンと実務対応

    現状において最も課税リスクがあるポイントに斬りこむ!実務上の諸問題の中で、重要であるにもかかわらず明確な方向性が示されてこなかったものを取り上げ、独自の見解を示した先駆的解説書。

    定価: 2,800円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2012.03
    著者: 伊藤雄二、萩谷忠