海外子会社所在国との国際的二重課税を排除したい

日本税務当局が移転価格課税を行うと、既に海外子会社がその所在地国で申告した所得に対して日本も課税を行うという、「国際的二重課税」が発生します。この、「国際的二重課税」を排除するため、2国間で締結された「租税条約」や「租税協定」に基づき、両当局間で「相互協議」が行われます。我々、税理士法人フェアコンサルティングは、日本及び国外関連者所在国の観点から、国際的二重課税排除に係るソリューションを提供します。

Naoki Shimokawa

事業会社の事業部門にて開発・マーケティング・事業管理と幅広く業務を経験した後、管理部門にて移転価格業務に従事。その後、デロイトトーマツ税理士法人にて、事業会社における幅広い業務経験と移転価格実務経験を活かし、多岐に亘る移転価格コンサルティングサービスを提供。2018年2月より3年間Deloitte Singaporeに駐在し、税務面でのシンガポールの日系企業サポートに加え、東南アジア地域における移転価格プロジェクトのサポートを担当。
税理士法人フェアコンサルティング(シンガポール事務所)においては、Regional Director (International Tax)として、主として移転価格アドバイザリーサービスを、シンガポール含め東南アジア地域の日系企業に提供。

こんな状況になっていませんか?

以下のような状況においては、国際的二重課税が発生するため、二重課税排除に向けた対応が必要になります。

  • 「海外子会社の利益率が高く、日本から所得が移転している」と日本の税務当局から指摘され、移転価格課税を受けたが、二重課税排除に向けた対応(相互協議申立、不服申立手続き等)が実施されていない
  • 「利益率が低く、国外関連者に所得が移転している」と海外の税務当局から指摘され、移転価格課税を受けたが、二重課税排除に向けた対応(相互協議申立、不服申立手続き等)が実施されていない
  • 「赤字であるため、国外関連者に所得が移転している」と海外の税務当局から指摘され、移転価格課税を受けたが、二重課税排除に向けた対応(相互協議申立、不服申立手続き等)が実施されていない

対応しなかった場合に起こり得るリスク

国際的二重課税排除に向けた対応を実施しない場合、同一の所得に対して高率な税負担を強いられる場合があります。

  • 国際的二重課税が排除できないリスク
  • 租税条約や租税協定が定める相互協議申立期限内に手続きができず、相互協議による国際的二重課税の排除ができないリスク
  • 税務訴訟などの不服申立手続きによる課税処分の取り消しが行われない限り、国際的二重課税の排除ができないリスク

具体的な対応方法

国際的二重課税の排除には、以下の対応が必要になります。

  • 相互協議申立
  • 再調査の請求、審査請求、訴訟などの不服申立手続き

準備する必要があるもの

相互協議申立や不服申立手続きにおいては、以下の情報が必要になります。

  • 更正通知書
  • 税務調査における意見書、反論書、議事録
  • 税務当局提出資料、データ
  • ローカルファイル
  • 移転価格分析/ベンチマーク分析報告書
  • 過去の移転価格調査関連資料

よくあるご質問

租税条約がない国に所在する海外子会社との取引について移転価格課税を受けた場合、国際的二重課税の排除はどうしたらよいか?

不服申立手続き(再調査の申立、審査請求、訴訟)で課税の取消しを求めることになります。

海外子会社への寄附金だと税務当局から指摘され、その指摘に納得し修正申告をしたが、国際的二重課税の排除は可能か?

海外子会社への寄附金である時は、国際的二重課税は発生していないため、国際的二重課税は排除されません。

税務当局から当社に対して、移転価格課税を行うといわれているが、課税を受けて相互協議の申立をすれば、国際的二重課税は排除されるのか?

相互協議があるからと、税務当局と十分な議論を行わず移転価格課税を受けた場合、相手国からその課税内容が不十分だとして、相互協議を受け付けてもらえない可能性があるため、相互協議があると安心せず、移転価格課税内容について税務当局と徹底した議論を行う必要があります。

海外子会社に所得が移転しているため、修正申告をするよう税務当局から言われている。当局の主張はもっともではあるものの、どのように対処したらよいか?

修正申告の場合、相互協議の申立ができなくなり、国際的二重課税は排除されないため、修正申告には応じられない旨主張するのが適切です。ただ、課税金額が小さく相互協議をするコストに見合った税金の還付が見込まれない場合は、修正申告を受入れるのも一つの方法だと思われます。

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メディア・書籍

フェアコンサルティンググループの執筆物をご紹介しております。

  • 図説移転価格税制(Visual TP)

    本書は、移転価格税制の基礎から、独立企業間価格の算定方法、移転価格文書化、税務調査、事前確認制度、相互協議などの実務上の取扱いや留意点について、文章と図解でわかりやすく解説しています。移転価格税制の全体像を掴むのに最適な一冊です。

    定価: 6,600円
    出版社: 税務研究会出版局
    発行: 2022.11.1
    著者: 萩谷 忠 (監修), 伊藤 雄二 (監修), 税理士法人フェアコンサルティング (著)
  • 月刊国際税務2022年9月号

    「国際税務の相談室★金融取引(移転価格税制)」
    タイトル:「新移転価格事務運営要領での金銭消費貸借取引及び債務保証取引の独立企業間価格」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2022.9
    著者: 萩谷忠
  • 月刊国際税務2022年1月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「東南アジアに所在する国外関連者との取引に係る事前確認(APA)申出は行うべきか」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2022.1
    著者: 萩谷忠
  • 国際税務研究会

    「BEPS行動計画対応状況一覧表」
    「BEPS行動計画13対応状況一覧表」

    著者: 細田明(執筆・監修)
  • 月刊国際税務2021年5月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「自立した国外関連者との取引に係る独立企業間価格」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2021.5
    著者: 萩谷忠
  • 月刊国際税務2020年9月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「国際税務の相談室★移転価格税制・・キャプティブ(再)保険取引と移転価格税制」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2020.9
    著者: 萩谷忠
  • もう悩まない!現地駐在者直伝! アジア進出企業の税務トラブルQ&A

    アジア諸国進出企業が直面する現地国での特有の税務トラブルを、現地で実際に解決に導いてきた著者らの活きた豊富なノウハウにより解決する実践的解説書。日本企業の進出数が多いアジア 10か国(中国、香港、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、 インド)について、「国別」に「Q&A」形式でわかりやすく解説する。

    定価: 4,000円(税別)
    出版社: 第一法規株式会社
    発行: 2018.03
    著者: 伊藤雄二、外園雅大
  • Q&A 移転価格 ドキュメンテーション 基礎知識と実務対応

    課税当局の動向、調査の着眼点を踏まえたピントのあった解説。文書化を行う上で必要な基礎知識から、最近のBEPSの動向までをわかりやすい切り口でカバー。

    定価: 3,000円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2015.10
    著者: 伊藤雄二、十河直彦
  • Q&A 移転価格の税務調査

    移転価格税制の基本知識から調査官の考え方、移転価格調査に対する適切な対応までQ&Aで丁寧に解説。「無形資産をめぐる国外関連取引」の増加に伴う問題点や「広告宣伝費用の負担関係」についての考え方等、現在の重要論点を整理。

    定価: 3,000円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2014.01
    著者: 伊藤雄二
  • 図説移転価格税制 – Visual TP(全訂第2版)

    移転価格について文字とビジュアルでわかりやすく解説。

    定価: 4,200円(税別)
    出版社: 税務研究会出版局
    発行: 2012.09
    著者: 伊藤雄二、萩谷忠
  • Q&A 移転価格税制のグレーゾーンと実務対応

    現状において最も課税リスクがあるポイントに斬りこむ!実務上の諸問題の中で、重要であるにもかかわらず明確な方向性が示されてこなかったものを取り上げ、独自の見解を示した先駆的解説書。

    定価: 2,800円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2012.03
    著者: 伊藤雄二、萩谷忠