移転価格税制・寄附金課税にかかわる総合業務国外関連者に対するローン金利や債務保証料の設定

サービス内容

移転価格税制の適用対象取引として非常にポピュラーな親子間の金銭消費貸借取引(親子ローン)及び債務保証取引は、日本における法人税調査において必ず調査対象になるものですが、2022年に、これら金融取引における金利や債務保証料の算定について、国税庁の取扱い指針が大幅に変更又は追加になりました。

金利は、従来の規定が原則として貸手の調達コストカバーという、日本だけに通用するガラパゴス規定だったところ、借手が第三者から借りたら付される利率とするなら何パーセントで借りられるのか、というOECD移転価格ガイドラインや独立企業間取引における金利の算定に則った内容に変更となりました。また、債務保証料率については、従来国税庁の事務運営指針にその算定方法について記載がなかったのですが、今回新たに記載されました。

しかし、この新しい指針で金利や債務保証料率の算定には、借手、債務保証者及び被保証者の信用リスクの定量的評価が必須なのですが、国税庁の新事務運営指針にはこの定量的評価の具体的な算定プロセスが書いていません。このため現状は、企業のみならず税務当局にとっても定量的評価が困難なものになっています。この定量的評価を含めた適切なアドバイスを提供します。

具体的な対応内容

過去の金融取引に係る移転価格課税内容や国税当局の調査での視点を踏まえたアドバイスを行います。
また、格付会社の発表する数値情報を基に、具体的な金利、債務保証料率の算定についてアドバイスを行います。

  • 金銭消費貸借取引における借手の信用力(リスク)の算定
  • 金銭消費貸借取引におけるリスクフリーレートの算定支援
  • 金銭消費貸借取引における、独立企業間金利の算定支援
  • 債務保証取引における保証者及び被保証者の信用力(リスク)の算定
  • 債務保証取引における独立企業間債務保証料率の算定
  • 金融取引に係るローカルファイルの作成
  • グループファイナンス取引に係る移転価格ポリシーの作成
  • 貴社に対する法人税調査の際の調査官への対応(調査立会、調査官の指摘が適切なのか否かの検討を含む)

 

現在実施中のローンに係るスプレッド・金利・債務保証料率の見直しや追加検討に係る対応も可能です。

このような状況の際に是非ご相談ください

  • グループローン取引を開始したいが、金利をどのように設定していいのかわからない。
  • 海外子会社が金融機関から借入れをするために、当社がその金融機関から債務保証を要求されているが、子会社から債務保証料をどの程度徴収しなければならないのか。
  • 債務保証料率の算定方法がわからない。
  • 債務保証料率と金利は同じでいいのかどうかわからない。
  • 海外子会社に貸付を行おうとしている銀行に当社から経営指導念書を差し入れたが、この経営指導念書差し入れの対価を海外子会社から徴収しなければならないと、調査官から指摘されている。
  • 当社の金融機関からの借入利率を下回らない程度の利率で、海外子会社に貸付を行っているが、この利率では税務当局から否認されると聞いた。
  • 海外子会社が銀行から借入れる際、債務保証をしている。今までは、海外子会社から債務保証料を徴しなくても調査官から指摘されなかったが、今後は徴収しなければいけないと聞いたが、どうしたらよいか。
  • 銀行からの見積り金利やスプレッド(バンカビリティ・オピニオン)を基に、親子ローンの金利を設定しているが、今後、その金利は調査官から否認されると聞いた。
  • 調査官から当社の調達金利を下回った金利で海外子会社に貸付けているという理由で、修正申告を求められている。
  • 調査官から海外子会社の銀行からの借入に対して債務保証をしているのだから、債務保証料を取らなければダメだと言われているが、どのように債務保証料を算定して徴収すればいいのかと聞いても、先ずは会社で算定してください、といわれて困っている。
  • グループの金融子会社を設立して、外部からの資金調達、グループファイナンスを行いたいが、金利等の設定はどうしたらよいか。
  • 法人税調査で調査官から海外子会社に対する貸付金利が低い、海外子会社に対する債務保証料率が低すぎると指摘を受けている。

サービスの契約・料金体制について

顧問契約

顧問契約を頂いている場合は、信用力評価、レファレンスレート(ベースレート、リスクフリーレート)やスプレッドの算出、保証料率の算出、金利・保証料率設定に係るアドバイスの提供は可能です。なお、ベンチマーク分析は別途お見積りとなります。

スポット契約

移転価格プロジェクトとして、信用力評価、レファレンスレート(ベースレート、リスクフリーレート)やスプレッドの算出、保証料率の算出、ベンチマーク分析、金利・保証料率設定に係るアドバイスの提供を実施します。

サービスの流れ

  1. お打合せ
    弊法人担当が貴社のご要望を伺います。
  2. ご提案・お見積り
    お打合せの内容を受けて、ご提案を準備します。
  3. ご契約
    業務委託契約を締結頂きます。
  4. プロジェクトの実施
    信用力評価、レファレンスレート(ベースレート、リスクフリーレート)やスプレッドの算出、保証料率の算出、ベンチマーク分析(必要に応じて)、適正金利・保証料率の検討を実施します。
  5. 報告会
    プロジェクト報告会を実施します。

国外関連者に対するローン金利や債務保証料の設定 よくあるご質問

「借手」ではなく「貸手」の信用力評価に基づく金利設定は可能か?

日本においては、2022年6月10日付で改正された移転価格事務運営要領に記載の通り、対象となる関連者間の金銭消費貸借取引と通貨、時期、期間、借手の信用力その他の比較可能性に影響を与える要素が同様の状況の下にあるものにより比較対象取引の想定が可能な場合は、市場金利等を用いて想定した取引を比較対象取引とすることができるとされております。また、リスクフリー利率(銀行間取引利率等)にスプレッド(借手のデフォルト率)を加算したものを比較対象取引として用いることができるとされており、「貸手」ではなく「借手」の信用力評価に基づく金利設定が求められております。

銀行からの見積もり(バンカビリティ・オピニオン)を基にした金利設定は可能か?

日本においては、これまで金融機関からの見積り/意見書に基づく金利設定ついて明確な規定やガイダンスはありませんでしたが、2022年6月10日付の移転価格事務運営要領の改正で、OECD移転価格ガイドラインに従い、「見積り」は実際に発生した取引ではないことから、一般的に独立企業原則に則った契約条件とはみなされないとされました。

日本の移転価格税制において債務保証取引の取扱いに係る規定はあるか?

日本の移転価格税制関連規定には、これまで債務保証取引の取扱いに係るものは存在しませんでしたが、2022年6月10日付で移転価格事務運営要領の金融取引に係る改正が行われ、債務保証取引における独立企業原則適用のための指針が示されました。基本的に、OECDより2020年2月11日に公表された金融取引に係る移転価格ガイドラインに準拠するもので、債務保証の対価性及び債務保証料の算定方法について示しています。

 

プロフェッショナルズの紹介

様々なバックグラウンドを持つ、コンサルティング経験豊富な移転価格・国際税務専門家を有しています。

  • Makoto Ishii

    略歴
    国税局調査部においては主任国際情報審理官、外国法人調査部門統括官として、移転価格事前確認や国際課税事務に従事、課税部では国税訟務官として、また、国税不服審判所では国税副審判官として、国際課税の訴訟事務や審査請求事務に従事した。
    国税局、税務署を通じて、移転価格調査、課税二部資料調査課調査、源泉国際官調査等国際課税に関する豊富な調査経験を活かし、様々な側面から国際課税全般に係るサービスを提供する。

    ・専門分野
    国際税務
    移転価格
  • Akira Hosoda

    略歴
    国税庁では国際税務の企画立案、外国税務当局との情報交換、各国税制調査、シンガポール駐在等を担当し、国税局、税務署では大規模法人、外国法人、個人等の税務調査にも従事。
    大企業から中小企業に至るまでの幅広い顧客層に対する国際税務コンサルティングを強みとしながら、顧客の海外事業戦略、資本政策、組織再編、国境を超える事業承継、M&Aや資本提携などに関する税務アドバイザリー業務について豊富な経験と実績を有する。また日本・海外税務当局をはじめとする各方面の政府関係者との良好な関係を築きながら海外投資環境の改善にも尽力している。
    資格
    日本国税理士
  • Tadashi Hagiya

    略歴
    東京国税局調査部で、外国法人を含む大規模法人の調査を1993年まで行う。その後、2005年までの9年間は、同部国際税務専門官等として、超大規模法人の移転価格調査に従事し、課税報道がされた事案、国際的二重課税排除後の所得移転額が日本最大の移転価格課税事案など、主に金融/無形資産取引事案を担当。
    現在は、BEPS (税源浸食と利益移転)を含む移転価格文書化、国税当局の移転価格(国外関連者への寄附金課税を含む)調査対応、APA(事前確認)サポート、相互協議(国際的二重課税排除のための二国間協議)サポートなどを行う。
    資格
    日本国税理士
  • Naoki Shimokawa

    略歴
    事業会社の事業部門にて開発・マーケティング・事業管理と幅広く業務を経験した後、管理部門にて移転価格業務に従事。その後、デロイトトーマツ税理士法人にて、事業会社における幅広い業務経験と移転価格実務経験を活かし、多岐に亘る移転価格コンサルティングサービスを提供。2018年2月より3年間Deloitte Singaporeに駐在し、税務面でのシンガポールの日系企業サポートに加え、東南アジア地域における移転価格プロジェクトのサポートを担当。
    税理士法人フェアコンサルティング(シンガポール事務所)においては、Regional Director (International Tax)として、主として移転価格アドバイザリーサービスを、シンガポール含め東南アジア地域の日系企業に提供。
  • Naohiko Sogo

    略歴
    東京国税局、名古屋国税局において、国税調査官として税務署所管法人と調査部所管法人の税務調査(法人税・消費税・源泉所得税等)に従事。
    現在は、日本と世界各国との取引に係る移転価格案件に主に関与し、移転価格調査対応、APA(事前確認)審査対応、相互協議対応などを通じたコンサルティングサービスを提供している。
    資格
    神戸大学大学院修了
  • Tatsuya Shimizu

    略歴
    税務署において、広範囲の税目(酒税・印紙税・法人税・消費税・源泉所得税等)を担当し、各種業種・規模の法人調査、相談等の業務に従事。 現在は、豊富な税務知識と経験を基に、国際源泉、恒久的施設(PE)課税、外国子会社合算税制、海外の税制、移転価格文書化業務など、幅広い国際税務のアドバイザリー業務をクライアントに提供している。
    また、国税局や公認会計士向けの国際税務研修の講師も務める。
    著書には「税法用語辞典(共著)」「法人税務ハンドブック(共著)」がある。
    資格
    日本国税理士
  • Keiko Kato

    略歴
    日本の総合商社勤務後、1997年より香港およびシンガポールに在住。日系および地場系企業において幅広い業務経験を重ね、2014年から公正諮詢香港有限にて日系企業サポートを行う。会計記帳、法定監査、税務申告、税務調査対応、内部監査、工場原価計算システム作成、人事労務サポート等日系企業の会社運営に関する業務をサポートする。また、日本貿易振興機構香港事務所にて、2015年から現在まで香港における中小企業海外展開現地支援プラットフォーム・コーディネーターを務め、日本の中小企業が海外進出する際の事業展開や現地での各種支援に従事している。
  • Liu Yang

    略歴
    大学院卒業後、法律事務所において対中投資及び対日投資に係る法律相談や手続サポートに従事。その後、2017年からデロイトトーマツ税理士法人において主にクロスボーダーM&Aを含む税務ストラクチャリング業務、税務デューデリジェンス業務及び国際税務コンサルティング業務を提供。
    現在は、日系企業による中国進出と中華圏企業による日本進出に対して、中国税法と日本税法の両面からサポートを行っている。
  • Kazuki Ukyo

    略歴
    都内の税理士法人にて、不動産SPCの記帳代行、申告書の作成、法人設立・清算、英文レポートの作成に携わる。
    現在は、税理士法人フェアコンサルティングにおいて、非居住者課税や移転価格税制対応、外国子会社合算税制コンサルティング等の国際税務案件に携わるほか、国内税務案件/事案の税務相談対応にも携わっている。
    資格
    日本国税理士
  • Fujio Sato

    略歴
    関東信越国税局、税務署において、大規模法人や海外取引を中心とした税務調査に従事。また、関東信越国税不服審判所、税務署において、法人税・消費税・源泉所得税等の審理事務に従事。
    現在は、企業が海外や日本で活動する中で生じる様々な税務上の問題や未来への課題に対し、豊富な経験と知識に基づいた、明解・誠実・丁寧なコンサルティングサービスを提供している。

    専門分野 / 国際税務 移転価格
    資格
    日本国税理士
  • Yo Masuoka

    略歴
    大阪国税局調査部において、調査部国際調査課国際税務専門官、同国際情報第2課及び第1課総括主査を、大阪国税不服審判所副審判官を経て、調査部特別国税調査官(移転価格担当)、同主任国際税務専門官、同統括国税調査官を歴任し、この間、事前確認審査における国税庁との調整のほか、大規模法人の国際課税調査(移転価格調査を含む)に従事。ペーパーカンパニーを利用した国際的租税回避事案や、移転価格の推定課税、DCF法を活用した国外関連者寄附金課税事案等の課税を直接担当。
    2021年、大阪国税局峰山税務署長を最後に退官、益岡洋税理士事務所を開設。
    現在は、税理士法人フェアコンサルティングの顧問として、移転価格課税を含む国際課税の実務に関するアドバイス等を担当している。
    資格
    日本国税理士

フェアコンサルティングのネットワーク

フェアコンサルティンググループとして国内、国外とも多数の拠点をもっております。

  • 国内
  • 国外

メディア・書籍

フェアコンサルティンググループの執筆物をご紹介しております。

  • 月刊国際税務2024年1月号

    「国際税務の相談室★金融取引(移転価格税制)」
    タイトル:「独立企業間価格の算定に、金融ツールを用いることができるのか」

    定価: 年間購読のみ55,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2024.1
    著者: 萩谷忠
  • 月刊国際税務2023年5月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「研究開発を行っている、特許を保有している、という理由だけで、調査官から超過収益力があると指摘されています」

    定価: 年間購読料のみ55,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2023.5
    著者: 萩谷忠
  • 図説移転価格税制(Visual TP)

    本書は、移転価格税制の基礎から、独立企業間価格の算定方法、移転価格文書化、税務調査、事前確認制度、相互協議などの実務上の取扱いや留意点について、文章と図解でわかりやすく解説しています。移転価格税制の全体像を掴むのに最適な一冊です。

    定価: 6,600円
    出版社: 税務研究会出版局
    発行: 2022.11.1
    著者: 萩谷 忠 (監修), 伊藤 雄二 (監修), 税理士法人フェアコンサルティング (著)
  • 月刊国際税務2022年9月号

    「国際税務の相談室★金融取引(移転価格税制)」
    タイトル:「新移転価格事務運営要領での金銭消費貸借取引及び債務保証取引の独立企業間価格」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2022.9
    著者: 萩谷忠
  • 月刊国際税務2022年1月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「東南アジアに所在する国外関連者との取引に係る事前確認(APA)申出は行うべきか」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2022.1
    著者: 萩谷忠
  • 国際税務研究会

    「BEPS行動計画対応状況一覧表」
    「BEPS行動計画13対応状況一覧表」

    著者: 細田明(執筆・監修)
  • 月刊国際税務2021年5月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「自立した国外関連者との取引に係る独立企業間価格」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2021.5
    著者: 萩谷忠
  • 月刊国際税務2020年9月号

    「国際税務の相談室★移転価格税制」
    タイトル:「国際税務の相談室★移転価格税制・・キャプティブ(再)保険取引と移転価格税制」

    定価: 年間購読のみ15,000円(税込)
    出版社: 税務研究会
    発行: 2020.9
    著者: 萩谷忠
  • もう悩まない!現地駐在者直伝! アジア進出企業の税務トラブルQ&A

    アジア諸国進出企業が直面する現地国での特有の税務トラブルを、現地で実際に解決に導いてきた著者らの活きた豊富なノウハウにより解決する実践的解説書。日本企業の進出数が多いアジア 10か国(中国、香港、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、 インド)について、「国別」に「Q&A」形式でわかりやすく解説する。

    定価: 4,000円(税別)
    出版社: 第一法規株式会社
    発行: 2018.03
    著者: 伊藤雄二、外園雅大
  • Q&A 移転価格 ドキュメンテーション 基礎知識と実務対応

    課税当局の動向、調査の着眼点を踏まえたピントのあった解説。文書化を行う上で必要な基礎知識から、最近のBEPSの動向までをわかりやすい切り口でカバー。

    定価: 3,000円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2015.10
    著者: 伊藤雄二、十河直彦
  • Q&A 移転価格の税務調査

    移転価格税制の基本知識から調査官の考え方、移転価格調査に対する適切な対応までQ&Aで丁寧に解説。「無形資産をめぐる国外関連取引」の増加に伴う問題点や「広告宣伝費用の負担関係」についての考え方等、現在の重要論点を整理。

    定価: 3,000円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2014.01
    著者: 伊藤雄二
  • 図説移転価格税制 – Visual TP(全訂第2版)

    移転価格について文字とビジュアルでわかりやすく解説。

    定価: 4,200円(税別)
    出版社: 税務研究会出版局
    発行: 2012.09
    著者: 伊藤雄二、萩谷忠
  • Q&A 移転価格税制のグレーゾーンと実務対応

    現状において最も課税リスクがあるポイントに斬りこむ!実務上の諸問題の中で、重要であるにもかかわらず明確な方向性が示されてこなかったものを取り上げ、独自の見解を示した先駆的解説書。

    定価: 2,800円(税別)
    出版社: 税務経理協会
    発行: 2012.03
    著者: 伊藤雄二、萩谷忠